2017年2月24日金曜日

国際文化学部の留学(SAプログラム)~準備編~

国際文化学部の留学(SAプログラム)準備編


国際文化学部SAプログラム第2段は準備編です。ここでは留学までの様々な動きを3つの時期に分けてご紹介します。

留学までの流れ

大学1年生(4月~)
この時期に必要なことは「SA先の大学・都市を知ること」です。4月の入学後すぐにSA総合ガイダンス・SA英語圏ガイダンス・SA先別ガイダンスの実施、そしてSA先希望登録と駆け足で進んでいきます。SA先別ガイダンスは、先輩たちから大学での授業や生活の様子などを聞くことができ、各留学先の特徴を知る重要な機会となっています。ぜひ先輩たちに積極的に質問をしてSA先希望を決定する上での参考にしてください。

SA先希望登録によって、英語圏か諸外国語圏のどちらかに留学するかが決定されます。英語圏の留学先を選択した人は英語圏への留学が決まります。一方諸外国語圏の留学先を選択した人は原則この時点で希望の大学への留学が決定します。(ただしロシアは英語圏と同じく9月に最終希望を提出します。)


留学先にはどのような大学があるのか前もって見ておくとガイダンスでも動きやすくなります。
おすすめとして以下の2つのページを挙げます。SAにかかる費用に関するページもありますので参考にしてください。(年により費用は変動します。)
国際文化学部公式HPの留学に関するページ
http://www.hosei.ac.jp/kokusai/ryugaku/index.html
グローバル教育センターHP 国際文化のSAガイドを閲覧できます。
http://www.global.hosei.ac.jp/SAguide/index.html

留学先決定頃(7月~)
7月、もしくは8月にTOEIC-IPが実施されます。英語圏の留学先を決定する際、ある大学に希望者が集中した場合にはこのテストの結果と、一年春学期の英語の成績によって人数の調整が行われます。自身の英語のスキルを磨いておくことは勿論ですが、TOEIC-IPがどのような形式で出題されるのか把握しておくこともおすすめです。

英語圏、SAロシアの留学先決定は11月です。しばらく留学に関する説明会はありませんが、入学願書などの重要な書類提出もありますので、SA課からの連絡はこまめにチェックしています。


大学2年生(4月~)
3月~4月にはビザの取得に関する説明会や、6月に留学費用の通知、7月には全体での危機管理ガイダンスが行われるなど、留学への準備が本格的に動き始めます。

また、この時期になると留学への荷物の準備も少しずつ進められていくかと思います。今回は疑問として挙がりやすいクレジットカードについて以下にまとめました。



留学に必要な手続きは留学先によっても異なります。SA担当から必要な書類や手続きについて連絡がありますのできちんと確認をしています。




留学前に観るべき映画5選

留学生活は、実際に経験してみないと 想像できないようなことが 沢山あります。
少しでも、留学とはどういった ものなのかが伝わる ように今回、
学生広報委員の内山が選ぶ5本 紹介します。
1.スパニッシュ・アパートメント(L'Auberge Espagnole, 2002)
監督:セドリック・クラピシュ 
出演:ロマン・デュリス、 オドレイ・トトゥetc

留学映画の最高傑作。 特に留学は寮に滞在 したいと考えている方は 必見の作品だ。 フランスからスペインの バルセロナに留学しに来た 青年グザヴィエが、 イタリアやドイツ、 デンマーク等からやってきた 留学生達が共同生活する アパートで暮らし始める という内容。 国籍も違えば、 文化も違う。 授業も、スペイン語での 講義かと思いきや、 カタルーニャ語での 授業だったりと問題も 多発する。 人種の坩堝の中で、 異文化コミュニケーションを 深めていき、 留学という経験を より高いレベルに持って行く 主人公の様子を観たら、 きっと一歩海外に踏み出す 勇気が湧くはず。 留学直前にこそ観て欲しい作品。



2.ズートピア (Zootopia, 2016)
監督:リッチ・ムーア、 バイロン・ハワード、 ジャレド・ブッシュ 
出演:ジニファー・グッドウィン ジェイソン・ベイトマンetc

 「今いる場所が嫌だから 留学したい」 と考えている方は いないだろうか? 「アメリカはクール! フランスはオシャレ! だから行ってみたい」 と思い留学を計画している 方はいないだろうか? 

そういった方にこそ、 このディズニー・ アニメーションをご覧頂きたい。 本作の主人公 うさぎのジュディは、 田舎の狭いコミュニティに 嫌気が差し、都会である ズートピアで警察官 として活躍しようと夢見ている。 ズートピアはクールで 優しい動物も多いに違いない と思い、いざ行ってみると、 アパートはボロボロで、 職場では差別を受けたりする。 理想と現実のギャップに 苦しみながら前へ進もうとする 話だ。

実際の留学も同様に、 留学先の人々が 全員優しいとは限らない。 自分の常識が留学先の 非常識だったりすることも 多々ある。 その中で、妥協点を見つけていき 自分を磨いていくことこそ 留学の醍醐味であり、 それがまさに「ズートピア」 で描かれているのだ。


3.ブルックリン(Brooklyn, 2015)
監督:ジョン・クローリー 
出演:シアーシャ・ローナン、 ジュリー・ウォルターズetc 

留学後の心理的変化について 留学経験者の口から語られることは なかなかない。 留学を終えると、どのような 感情が生まれ、人生にどのように 影響を与えるのか。 その一つの例を示した作品が 「ブルックリン」である。 アイルランドの片田舎から、 ニューヨーク・ブルックリンに 移住した少女の物語である。 本作では、移住先の ニューヨークで 文化的違い、訛りによる差別 を少女が克服していく様子が 描かれており、 最初は弱々しい少女が 物語終盤ではたくましく 成長していくので、 まさに留学生活そのもの の心情変化がここにある。 

しかし、それだけなら 「スパニッシュ・アパートメント」 を観れば良いのですが、 本作が面白いところは、 丁度本学部の3年生、4年生時の 心情を代弁しているところにある。 執筆者の内山も含め、 多くの留学生が留学を 終えると、数々の苦難を乗り越えた 優越感に浸り、 留学先を愛し過ぎてしまう。 いわゆる「外国かぶれ」な状況に陥り、 日本文化を軽視しがちになる。 結果として、帰国後日本の 文化に馴染むのに 時間がかかってしまう。 それを「ブルックリン」でも 演出しているのだ。 ブルックリン生活にも慣れ、 久しぶりに故郷アイルランドに 少女が帰ってくる描写がある。 故郷の人々の暮らしを 見下し、ブルックリン流の 生活を故郷に 見せつけることで優越感に 浸る少女だったが、 段々周囲の冷たい視線によって 我に返り、アイルランドとブルックリン、二つの アイデンティティを確立しようとしていくのだ。

国際文化学部の学生も 留学を終えて、本作の 主人公のように 2つのアイデンティティを確立しようとします。 留学後の心のゆらぎを 知る上でオススメな一本です。


4.ナオト・インティライミ冒険記  旅歌ダイアリー(2013)
監督:石田雄介
出演:ナオト・インティライミ

日本を代表とする シンガーソングライターの ナオト・インティライミが コロンビアやエチオピア、 カリブ海と世界を渡り歩き、 楽曲を作るまでを追った ドキュメンタリー。 留学体験者等から聞く 異文化体験エピソードは、 確かに面白いのだが、 留学はもちろん、 海外旅行をしたことのない 人にとっては未知なる世界。

本作は、ナオト・インティライミ が実際にスペイン語や ボディ・ランゲージを 使って現地人と コミュニケーションを 行う様子を観ることができる。 特に執筆者の内山が観て、 感銘を受けたシーンは、 コロンビアのライブ会場 でのエピソードだ。 知人である アンドレス・セペーダの ライブを観ようと会場に 来たはいいが、 警備員に入場を 止められてしまう。 説得しようとも、 なかなかゲートを 通してもらえない。 そこで諦めずに、 つたない語学力を駆使して セペーダと再開する ナオト・インティライミの 奮闘シーンが 本作を観た当時、 留学前だった私を 勇気づけました。
5.メッセージ(ARRIVAL, 2016)
監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
出演:エイミー・アダムス、 ジェレミー・レナーetc

日本公開は2017年5月と 先の作品ですが紹介。 本作は、特にフランスや スペイン、中国等 英語圏以外の留学を 考えている方に観て頂きたい作品だ。 何故ならば、今まで接してきたことの ない言葉を習得するとは どういったことかを繊細に描いている からである。 ストーリーは、ある日 地球に宇宙人がやってきて、 言語学者が宇宙人の 言葉を解読しようとするもの。 多くの人は、 フランス語やスペイン語、中国語 といった第二外国語は 大学に入ってから初めて接する であろう。 そういった第二外国語に 接し始めて間もない頃は、 活用が多かったり、文法が英語や 日本語とは全く異なり苦戦、 発音もなかなか綺麗には 発せず悶々とすることもあるでしょう。 この映画も、始めのうちは 全く宇宙人と会話が通じず 主人公達は悩みます。 しかし、段々と宇宙人の言葉を 身につけてきて会話が出来る ようになると、今まで見えてこなかった 景色が見えてくる。 よく、「言葉は思考を司る」と 言われるが、まさに本作では、 宇宙人の言葉をマスターすることで 自分の新しいモノの捉え方が 見えてくる様子が描かれており、 第二外国語を学ぶとはどういうことか を感じ取ることが出来る作品となっている。



最後に...

今回は準備編ということで、留学までの準備の説明と、留学に関するおすすめの映画のご紹介をしました。
次回は留学中の勉学についての記事を挙げますのでお楽しみに!



(執筆者:小田、内山)

2017年2月13日月曜日

国際文化学部の留学(SAプログラム) -導入編-

国際文化学部の特徴といえば、2年次に海外の教育機関に留学する「SA(スタディ・アブロード・プログラム)」です。また、留学生の場合は「SJ(スタディ・ジャパン・プログラム)」に参加します。
これから導入編、準備編、勉強編、旅行などのアクティビティ編の4回のシリーズに分けて、
国際文化学部のSAプログラムについて紹介します。
まず最初に、SAプログラムの概要とSA英語圏の滞在先(宿泊形態)について紹介します。

SAプログラムとは?

語学力の向上と異文化理解を深めることを目的としており、2年次の秋学期に実施されます。
期間はSA先によって異なりますが、長期SAの場合は3~5ヵ月、短期SA(ボストン大学 夏期)は1ヵ月です。

SAプログラムの特徴

1.SAで修得した単位が卒業所要単位に含まれる
長期SAの場合は16単位、短期SA(ボストン大学 夏期)の場合は4単位を修得することができます。これらの単位は卒業所要単位に含まれます。

2.諸外国語圏に留学できる
一般的に諸外国語圏は英語圏に比べ、協定校や手続きなどの関係で個人で留学するのが難しいと言われています。
そのため、フランスやスイス(ドイツ語圏SA先)などの諸外国語圏に留学できることは、SAプログラムの大きな強みです。


3.国際交流課のサポート
個人で留学の手続きを行うのはなかなか大変です。 国によっては学生ビザを取得しなければなりません。
しかし、SAプログラムでは、国際交流課が留学先への申込書類の作成やビザ取得などの手続きをサポートします。
そのため、安心して準備を進めることができます。

SA先一覧(2017年1月現在。変更される場合もあります。)

英語圏
アメリカ・・・ボストン大学(夏期と長期)、ミシガン州立大学、カリフォルニア大学デイヴィス校

カナダ・・・ヨーク大学、ブロック大学、トレント大学

イギリス・・・リーズ大学、シェフィールド大学

オーストラリア・・・モナシュ大学

諸外国語圏
フランス・・・西部カトリック大学

スイス(ドイツ語圏SA先)・・・ザンクトガレン大学 

スペイン・・・バルセロナ大学

ロシア・・・サンクト・ペテルブルク国立大学、ペテルブルグ国立交通工科大学

中国・・・上海外国語大学

韓国・・・韓国外国語大学

詳しくは、こちらのSA先大学紹介をご覧ください。
  http://www.hosei.ac.jp/kokusai/ryugaku/daigaku.html 「法政大学国際文化学部公式サイト」


SAの流れ



※1 諸外国語圏の場合は、4月にSA先が決定します。
ただし、ロシアの場合は大学が2校ありますので、11月にSA先が決定します。

※2 英語圏の場合、留学先の受入人数に制限があるため、希望が集中したSA先は人数の調整が行われます。
調整は1年次の7月または8月に実施される「TOEIC-IP」、1年次春学期の英語の成績、希望等により行われます。

※3 SA先がボストン大学(夏期)の滞在時期および期間は、8月~9月の1ヶ月間です。


英語圏向け SA滞在先(宿泊形態)ガイド

ここまでの説明で、SA先の中でも英語圏(アメリカ、カナダ、オーストラリア、イギリス)は、選択肢の幅が広いと感じたと思います。 そこで、SA先で英語圏を選ぶ時に、最も気になる滞在先(宿泊形態)について紹介します。

ホームステイor学生寮

SAの滞在先(宿泊形態)は、ホームステイ、学生寮などです。
それぞれで過ごし方などが異なるため、メリットとデメリットをあげながら特徴を紹介します。

☆ホームステイ
ステイ先の家庭に滞在。
一人部屋が割り当てられる場合が多い。

メリット
ホストファミリーと会話することが多いので、英語をよく使う。
現地の家庭生活を体験できる。

デメリット
家庭の食事や文化が合わない場合がある。
留学生の扱いに差がある。

☆学生寮
主に大学付属の学生寮に滞在。
ルームシェアまたは一人部屋。
食事は、自炊するところもあれば食堂で食べられるところもある。

メリット
現地の学生や他国の留学生との交流を持てる。
大学や図書館との距離が近く、移動が簡単。

デメリット
周りの部屋がうるさく、勉強に集中できない時がある。
学生寮でも一人部屋の場合は、自分から積極的に寮生に話しかけないと仲が深まらない。

トレント大学の学生寮 食堂の様子


トレント大学 学生寮周辺の様子




国際文化学部のSA留学に関するリンクです。ぜひ、こちらもご覧ください。 http://www.hosei.ac.jp/kokusai/ryugaku/index.html


今回は、SAについての概要と英語圏向けの滞在先(宿泊形態)について紹介しました。
第2回では、SAまでの準備について説明します!


(執筆:3年 古池)

2017年2月7日火曜日

FICオープンセミナー「『ショコラ ~君がいて、僕がいる~』試写会とトーク」を開催して



(C) 2016 Gaumont / Mandarin Cinema / Korokoro / M6 Films



映画『ショコラ ~君がいて、僕がいる~』(ロシュディ・ゼム監督)は難解な映画ではない。高校生以上の観客なら、とくに予備知識がなくても楽しめる映画だ。かつて実在した黒人・白人の芸人コンビを再現してみせた、ショコラ役のオマール・シー、フティット役のジェームス・ティエレの体を張った熱演が光る。また、芸人ならではの人気争いや、自身の才能をめぐる悩みの描写もわかりやすい。そしてもちろん、黒人であるショコラ(本名ラファエルの芸名である)の場合、どうやって自分の才能を認めさせるかという奮闘は、人種差別の問題と切り離せない。2016 年にフランスで公開され、ヒット作となったのも、衣装を含めた約100年前のパリの描写が見事というだけでなく、現代の移民社会における観客の思いにこたえる部分がこの映画にはあるからだろう。
しかし、このわかりやすさには、気を付けておかなくてはならないところもある。例えば、この映画では当り前のように「白い道化師」(仏 clown blanc / Whiteface Clown )や「オーギュスト」(英語ならAuguste Clown)、「軽業師」といった単語が出てくるが、こういったさまざまな種類の道化師たちが織りなす笑いについて、日本に住む私たちはあまりなじみがない。威張り散らす白い道化師(フティット)とボケ役にあたるオーギュスト(ショコラ)、そして両者の関係性の変化という、筋書きの上で一番肝心なところについての感じ方は、この道化師がもたらす笑いをどう理解するかで変わってくるだろう。また映画のタイトルにもなっている、ショコラ(Chocolat)という芸名。キューバ出身の黒人だから「チョコレート色」=ショコラなわけで、21世紀の現代ではちょっと考えられない差別的な芸名だが、その一方で、「ショコラであること(être chocolat)」という表現には「だまされること」という意味があり、「ショコラすること(faire le chocolat)」という表現には「だまされやすいふりをすること」という意味がある。パフォーマンスが一区切りつくたびに、ラファエルが客に叫ぶ「私はショコラ!(je suis Chocolat !)」という決めぜりふは、「だまされちゃった!」ぐらいの意味なのだろうが、同時にみずからの芸名の名乗りでもあり、だまされるという演技でもある。
この映画のもとになった伝記『ショコラ 歴史から消し去られたある黒人芸人の数奇な生涯』(G・ノワリエル著、葉月訳、集英社インターナショナル)を読むなら、映画でも描かれる白人のフランス人女性であるマリーと、黒人芸人のラファエル(ショコラ)の愛が史実ではどこに行きついたのかを含め、この映画をより深く味わうことができるだろう。
(文責 @kazouille

日時
2017118日(水)開場1500 開演1530 
場所
法政大学 市ヶ谷キャンパス ボアソナードタワー3階0300教室
主催
法政大学国際文化学部
配給
東北新社 STAR CHANNEL MOVIES
協力
集英社インターナショナル、法政大学出版局
トーク
舘葉月(日本学術振興会海外特別研究員・ジュネーヴ大学)、粟飯原文子(法政大学国際文化学部教員)、大中一彌(同)


関連
リンク
映画『ショコラ ~君がいて、僕がいる~』(監督ロシュディ・ゼム、出演オマール・シー、ジェームス・ティエレ他) http://chocolat-movie.jp/ 



伝記『ショコラ 歴史から消し去られたある黒人芸人の数奇な生涯』(ジェラール・ノワリエル著、舘葉月訳) http://www.shueisha-int.co.jp/archives/3825 



同じ著者による移民史の研究書『フランスという坩堝 一九世紀から二〇世紀の移民史』(ジェラール・ノワリエル著、大中一彌・川﨑亜紀子・太田悠介訳) http://www.h-up.com/books/isbn978-4-588-01032-3.html